パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校および天津大学建築学院と
オンライン合同建築・都市設計ワークショップを開催
大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースでは、2021年4月17日(土)から23日(金)までの7日間、フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSA-PVS)と中国の天津大学建築学院と合同で、建築・都市設計ワークショップ(以下、WS)をオンラインで開催しました。今回はENSA-PVSから都市計画や建築を専攻する19名の大学院生、天津大学から同じく大学院生・学部生15名と名古屋大学建築学コースの大学院生18名(うち2名はNUPACE生、4名はティーチング・アシスタント)の計52名が参加しました。WSの指導はENSA-PVSのBoris WELIACHEW教授、Adrien DURRMEYER教授、Sophie ROUGERIE教授、天津大学の鄭穎副教授と王志剛副教授、本学の小松尚教授と山出美弥助教が行いました。本WSはENSA-PVSとは2009年度に、天津大学とは2015年度に締結した学術交流協定に基づいて、本学の建築学コースとENSA-PVSおよび天津大学の修士課程相当の学生を対象に、異なる文化的背景を持った学生同士が英語を共通言語にして一つの建築・都市デザインの提案をまとめる機会として2009年から開催しており、今回は通算21回目のWSとなります。2019年度までは4月に名古屋で、9月にパリでWSを実施しておりましたが、2020年度はコロナの影響で中止になりました。そこで、2009年から続く3大学によるワークショップを中心に、建築学コースの国際交流を取りまとめた冊子制作を行いました。しかし、今年度はオンラインで開催しようと3大学の窓口教員が1月から準備を始め、開催に至りました。
WSとしては、まずWSまでに各大学で敷地および周辺分析を行い、その結果を持ち寄ってWS期間中に日仏中の混成グループ(1グループ7〜8名)で建築・都市デザインの提案を検討し、発表するための図面を制作しました。WS初日には各大学での事前作業の結果を共有して、本格的なグループ作業に入りました。3日目と5日目には中間講評会、7日目の夕方には成果発表会を行いました。特に、パリとの時差が7時間あるため、日本時間の夕方から夜にかけてオンラインでグループによる議論を行い、その他の時間では個人作業を行うというサイクルで、デザイン提案を作り上げました。成果発表会では、7グループの分析結果とデザイン提案が画面共有によって発表され、参加した3大学の教員からそれぞれにコメントがされました。限られた時間にオンラインでコミュニケーションを行い、また模型が制作できない等、制限の多いワークショップではありましたが、どのグループの案も与条件に対して多角的に検討された提案が盛り込まれており、今後の建築・都市デザインのあり方を広く検討する上で大変参考になる内容でした。
《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
http://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/unique/index.html