パリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校と合同建築・都市設計ワークショップを開催
大学院環境学研究科都市環境学専攻建築学コースは、2023年9月25日(月)から29日(金)までの5日間、 フランスのパリ・ヴァル・ドゥ・セーヌ国立高等建築学校(ENSAPVS)を主会場として、ENSAPVSと合同で国際学生建築・都市設計ワークショップを開催しました。 「Bring back its magic to the Champ-de-Mars」と題された今回の課題では、エッフェル塔が立っている膨大な公園Champ-de-Marsを対象に、 多くの観光客が訪れる観光地とパリ市民が日常的に利用する都市公園として、新しいランドスケープデザインと都市公園に必要な設備や余興施設を設計することが求められました。 今回はENSAPVSの大学院生10名と本学の建築学コース博士前期課程1年の村瀬千瑛、青山悠人、森琢人、松村拓海、七原宇紀の5名が参加し、3つの混成グループに分かれて本課題に取り組みました。 WSの指導はENSAPVSのBoris Weliachew教授、Claire Bailly講師、そして本学の李燕講師、斉藤特任助教が行いました。
このWSは2009年4月以降、両大学の間で締結された学術交流協定に基づき実施されています。毎年4月に名大で、9月にパリで開催しており、パリでのWSに本学の大学院生が参加するのは今回で11回目になります。
提案敷地であるCham de Marsは毎日多くの観光客が訪れる観光地となっていますが、パリ市民にとっては日常的に利用できる施設が少なく、周りのオフィスや住宅地と切り離されており、市民の日常生活とは無縁な場所となっています。 また、エッフェル塔の南エリアは大規模なイベントが開催できる場所となっている一方、普段は利用者の滞在が少なく、近年は緑化が減少しており、広くて寂しい場所となっています。 そこで、本WSではCham de Marsをパリ市民が誇れる大切な都市公園として、観光客と市民が共に楽しめる魅力的な公共空間に再生する提案を行いました。3つのグループでは、都市計画やランドスケープ、建築を含む多角的な視点から設計提案に取り組みました。
初日では、まずENSAPVSの担当教員から本課題の説明とともに、2024年パリ・オリンピック開催に向けて現在進行中のChamp-de-Marsエリアのデザインプロジェクト(OnE Project)を紹介する講義を受けた後、 対象敷地とその周辺(セーヌ川周辺)の調査にグループで出かけ、課題の読み取りや提案のポイントについて議論と共有、そしてデザイン検討を開始しました。 2日目以降はグループで検討作業を行い、3日目には中間発表会、5日目の夕方には成果発表会とフェアウェル・パーティを開催しました。 成果発表会では、各グループの分析結果と提案内容を図面(A0判3枚)と模型(1/200)で発表しました。 また、ENSAPVSの教員や関係者で意見交換と講評を行い、WS担当教員の合議によって各グループに成績(20点満点)が付与され、WSは成功の内に終了しました。
なお、本ワークショップに参加する院生の派遣は、独立行政法人日本学生支援機構の令和5年度海外留学支援制度(協定派遣)採択プログラムとして実施し、 教員の派遣等は環境学研究科研究科長裁量経費の支援を受けて実施しました。
《参考》今回および過去のWSの様子や成果については、下記ウェブサイトで紹介しています。
https://www.nuac.nagoya-u.ac.jp/unique/index.html
エッフェル塔の北とは異なる南側の風景(1日目)
来訪する遊戯・スポーツスペース(1日目)