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化に加担している物質が大気中にあります。それらをうまく減らしてやると温暖化の緩和策になる。温暖化については適応の前に、まずは緩和を考えるということを中心に研究しています。学です。環境の中でも特に、建築・都市空間の熱環境と空気環境を研究対象としています。コンピュータシミュレーションを活用して環境解析や環境予測を行っているのですが、建築分野の人間ですので、最終的には建築、さらには建築の集合体としての都市を、より良いものにしたいということが一番の目的となっています。良い建築、良い都市の重要な要素の一つは、居住者や使用者にとって快適な空間を提供できることです。ただし、近年の暑さをはじめとする自然現飯塚 私の専門は建築・都市環境工てきています。そこで最近では、自然現象の猛威やその多発を前提として、それらにしなやかに適応できる建築づくり、都市づくりというものをめざしています。地球温暖化や都市温暖化(ヒート    --は、海洋学・気象学・波動乱流・土木アイランド)の影響を受けて、建築・都市空間の熱環境や空気環境の実態はどういうものなのか、将来はどうなりそうか、そして、それらの知見を踏まえて、建築・都市のあり方としての温暖化適応とは何なのか、ということを研究しています。私の研究の一つに海洋圏環境・災害問題についての数値シミュレーションがあります。この研究の醍醐味工学・計算幾科学の知見を組み合わせて、環境問題と災害問題に関する自然現象のメカニズムを解明すること相木 -NHOES」という大気海洋結合モデです。そのために多圏結合モデルの一部としての海洋圏モデルの開発を継続し、それを用いた数値シミュレーション研究を行っています私は数値シミュレーションを行うにあたり、「コンピュータの中で実際の現象すべて再現したい」という夢を象の猛威によ持っています。例えば台風シミュレーり、快適性の追ションにおいて、大気と海洋を結合し求が難しくなったり、海表面の波浪の役割など、未解明な部分を入れていきたいです。それに向かって坪木和久先生(宇宙地球環境研究所)のグループと「CReSSルをつくりました。ションは、ただ単にコンピュータの中で動かすものではなく、社会の問題に関連しているという特徴があります。その結果をどのように見せていくのか、という出口が大事だと思っています。特に学生には、災害問題のために重要だと言うと、より動機づけを持って取り組んでくれます。出口として何をどのように、どのようなタイミングで見せるのか。これは数値シミュレーションを行う作業と同じくらい重要な課題です。大気海洋分野の数値シミュレー先生方が環境予測を行うために使用されている計算機は、どのようなものですか。私は海洋研究開発機構の「地球シミュレータ」や環境研のNECスパコン(SXAuroraNECのSXAuroraましたが、この電気料金高騰であえなくストップさせています。いろんな物質を組み込み、成層圏まで含んだ全球気候モデルなのでとにかく重たいんで、もっぱらベクトル型のコンピュータを使用しています。もちろん解像度の細かい計算をする場合は富岳等を併用することもありますが。気候モデルのグリッドの大きさは、だいたい50キロとか100キロ。たぶんIPCCの実験などに出しているの)です。研究室にを導入したりもし中川 須藤使用する計算機は?名古屋大学のスーパーコンピューター「不老」飯塚先生が購入して使用されているワークステーション須藤 健悟 すどう けんご博士(理学)。大気水圏科学系 気候科学(理学部 地球惑星科学科)教授。大気中の物質および化学反応過程を軸として、全球規模の数値シミュレーションや衛星データ解析により大気環境・気候変動の研究に取り組む。

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