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環未境来学の予測  ii///////高// ZeroEnergyHouseZero Energy Budng)という言葉をilil日常生活の大半は家やビルなどの屋内で過ごすことが多い。家では家電製品や照明器具に加え給湯・調理など、ビルではPC類や照明器具・エレベーターなどにエネルギーが使用されている。また、5〜6月や10〜11月などの気候が良いときには、窓を開けて自然通風を促すことで快適に過ごすことができるが、夏期や冬期は冷暖房機器の利用により、室内温湿度などを適正な範囲内に制御することで快適に過ごすことができる。これもまたエネルギーの利用である。以上のように、私たちの室内活動のほとんどがエネルギー利用を伴うものである。地球温暖化への対策は急務であるが、それに向けて建物のエネルギー消費性能においても「カーボンニュートラル」が意識されている。ZEH(net)やZEB(net聞いたことがある人も多いと予想されるが、これらはエネルギーの需要側すなわちエネルギー利用側での対策の一つであり、エネルギー消費をできるだけ削減し、その上でエネルギー消費と再生可能エネルギーによるエネルギー生成で、年間収支ゼロをめざすものである。しかし、ZEBの普及状況は芳しくない。エネルギー費用が事業コストに占める割合が低いため、建物の省エネ技術の導入に対しあまり意識されず、それにかかるイニシャルコストばかりに捕らわれる実態がある。とあるモデル建物におけるZEBをめざした10個の技術(外皮・断熱性能の向上供給温水の低温化の採用効率熱源の採用採用2次ポンプの変流量化採用太陽光発電の採用採用)とそれに関わる設備投資や維持費、設備改修を15年と想定した場合の省エネに伴う運転削減費を考慮した基準建物(Bu=約1.0)に対するライフサイクルコストの低減効果についての試算がある。ZEB%の省エネをすると、ライフサイクルコストが最も低いことがわかり、またルで考えれば、ほとんど増加分なし ready すなわち基準建物より50dngEnergyIndex(BEI)高効率給湯器LED照明及び制御の採用高効率全熱交換器のCGSの地中熱HPので、何も省エネ技術を採用しない建物より75%省エネnearlyZEBを達成できる可能性があることを示した。すなわち、ZEBをめざすことは、省エネでありライフサイクルコストでも適正となる可能性が示された。建物は、一度建ててしまうと、50〜100年の長い間利用されることになり、それらは毎日エネルギー消費を伴う。世界の未来を見据えて、建物の特に設計時さらに運用時には〝省エネ〟も意識してもらいたい。10個の技術を採用してもライフサイク鵜飼 真貴子専門は建築環境設備。再生可能エネルギー熱の効率的活用や設備の適正運用、設計・制御手法などを中心に研究活動を行っている。未来のために建物でできること氷河の行く末を予測する都市環境学専攻 建築・環境デザイン講座 鵜飼 真貴子 助教地球環境科学専攻 気候科学講座 藤田 耕史 教授

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