研究地球規模課題

課題3. 生態系サービスとランドスケープ

モンゴル草原において数千年間続く遊牧社会
ランドスケープ観察室での環境教育の様子

生態系サービスとは、自然が人間にもたらすものを具体化する概念です。例えば、気候の調整サービス、食糧の供給サービス、レクリエーション機会を提供する文化的サービスなどがあります。 これらは従来、人々に当然のように享受されてきましたが、生態系サービスという概念によって価値評価が進み、決して無自覚に消費して良いものではないことが明らかになってきました。

一方、ランドスケープは人々によって知覚される空間的な広がりであり、その特徴は、地形、地質、植生といった自然の作用と、社会的、文化的な人間活動の作用、 あるいはそれらの相互作用の結果から成ります。ランドスケープは自然と人間の時間的、空間的な関係性、持続可能性を理解する上で有用な概念と言えます。

本課題では、日本を含むアジアやヨーロッパを主なフィールドとし、ランドスケープの視点から様々な生態系サービスを時空間的に捉え、人と自然の持続的な関係を構築することを目指しています。 また、ランドスケープの地域特性を「見える化」する技術として、東海地方のランドスケープ・アトラス(デジタル地図集)の作成とランドスケープ観察室での展示・教育にも取り組んでいます。

世話人

  • 宮脇 勝 准教授
    都市環境学専攻・建築学系 都市計画、アーバンデザイン、景観計画、都市再生、まちづくり
  • 宮坂 隆文 助教
    地球環境科学専攻・地球惑星科学系 社会-生態システム、ランドスケープエコロジー、砂漠化、国立公園
  • 香坂 玲 客員教授
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授 自然資源管理論、生物多様性・遺伝資源、地域計画、風土論
学外・海外との連携
  • 愛知県
  • 東京大学
  • 日本大学
  • トリノ工科大学
  • フィレンツェ大学
  • ドイツ・ライプニッツ生態都市・地域開発研究所
  • モンゴル生命科学大学
  • モンゴル科学技術大学
  • 中国科学院

公開シンポジウム・研究会

2021年4月13日(火)ウェビナー
「生態系サービス、テロワール、お酒について語らう夕べ ~地理的表示の保護制度、保全・継承に向けて」