研究地球規模課題

課題5. 自然災害

四谷の千枚田(愛知県新城市)
根尾谷断層の断層崖(岐阜県本巣市)

自然災害と聞くと、我々はとかく被害の側面ばかりに目を向けてしまいがちです。他の地球規模課題が対象としている事象とは異なり、自然災害は発生の仕方が突発的であるため、単なる異変とみなされて対処療法的な対策が追求されがちでもあります。

地震、津波、火山噴火、大雨などの自然現象は、地球の営みの一部です。自然現象が時として外力としてはたらき、これに人や社会が接したときに自然災害へと至ります。しかし、自然は災害の誘因になりうると同時に、人間の生存の基盤でもあります。災害多発国である日本に住む我々は、平時には豊かな自然から様々な恩恵を受けて日々の暮らしを営んでいます。また、ハザード(自然外力)が災害へと転化する過程には様々な社会的、技術的要因が介在します。その意味で、自然災害は我々の日常生活のあり方を問い直すきっかけを与えるものと考えることもできます。

本課題では、自然災害を地球と人間、双方の営みの相互作用の結果としてとらえています。災害の発生に影響を及ぼす社会の変化と地球の長期的な運動メカニズムを連続的にとらえる、自然災害のリスクに加えて地球から享受している便益も理解して両者のバランスを意識する、これらの観点から自然や生活の持続可能性と両立する減災のあり方について検討を進めています。

世話人

  • 田所 敬一 准教授
    地球環境科学専攻・地球惑星科学系 地震学・海洋測地
  • 森 保宏 教授
    都市環境学専攻・持続発展学系 構造信頼性工学・耐震工学・リスクマネジメント・性能設計・荷重・外力論
  • 室井 研二 准教授
    社会環境学専攻 地域社会学・災害社会学

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